プロローグ~秋の花火


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上着がないと寒い10月の秋。

空に上がる大輪の花火が散っては消えていく度に、歓声が上がる。皆、少し暖かそうな格好で、まるで小さな子供が初めて世界を知るように目を輝かせる。隣には大切な誰かがいて、手をつないだり、肩を組んだり。この瞬間にも、きっと自分の気持ちを告げて、運命で結ばれた幸運な人たちがいるに違いない。

 

どんなふうに映るのだろう。広がる火花は大きくて、綺麗で、星が空いっぱいに流れて行くようだった。

 

 

ずっと、ここで見ていたかった。ずっと、ここにいたかった。

 

 

一瞬にして消えて行くその光は、季節に取り残されて、まだここにいるのに、必死にもがいているのに忘れられる、そう見えた。空に広がる大きな花はどの瞬間も美しいのに、記憶に留めておく時間すら与えてくれずに、それでも何度でも何度でもまた咲き、散っていく。それが余計に切なかった。

 

 

俺は、過去にまだ縛られて、ここにある大切なものを壊してしまう。どうすれば誰も傷つかずに済んだのだろうか。どうして、今思い出すのだろうか。しばらく思い出すこともなかったその過去は、こうやって気まぐれに現れてはあの時へと連れ戻す。どんなに時間が経っても傷が癒えることはない。どれだけ恋をしても忘れられない。どれだけ前を向いても乗り越えられない。思い出す度に痛みは全て蘇って、何度も何度も苦しくなる。きっとこの先も思い出す度に、こうして空を見上げて、やり直せない過去を、ぶつけようのない悔しさを思い知る。自分の弱さに絶望し、嫌気がさす。自分が嫌いで、どうすることもできない自分が情けない。

 

ふと少し離れた場所にいる彼を見た。歩いて行けば会えるその距離に、大切なものがある。だけど、何より怖かった。誰かを信じることも、傷つくことも。すぐそこにある大切なものも、やがて届かなくなる。いつか見えなくなる。それなのに、今さら自分の気持ちに気が付いた。切なくて、悲しくて、どうしようもなくて、俺はその場に立っていられず、人ごみに背を向けて、その場を去った。

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