春樹と信田先輩再び


一成先輩が言った通り、翌日からは一日中男闘。

最初は先輩とどう接していいのかよくわからなかった。だから男闘なんてできるのか不安だったが、先輩は俺の沸点をよく理解している。俺が恥ずかしそうにしていると、巧みに挑発して上手い具合に俺の闘争心を掻きたててくれた。慣れない男闘も少しずつ出来るようになり、形になってきた。正確に言うと、出来るようになってきたのは言葉責めだ。相手の言葉のいいなりに逝かせられると思うと自然と悔しくなり、自分も挑発をし返す。

それでも一成先輩はテクニックがあって、ただ力任せにしごくだけの俺は一度も勝つことはできなかった。先輩はきっと合宿中溜まりっぱなしだったかもしれない。

 

もうすぐ合宿も終わろうとしていた。

 

 

「大輝。」

俺が朝食を取ろうと座ると、後ろから剛が声をかけてきた。合宿の間、ずっと朝から夜までずっと練習しているから、なんだか話すのは久しぶりな気がする。

「おはよ。」

「一成先輩の練習どうなの?」

剛は座るなりいきなり尋ねてきた。朝だからか少し機嫌が悪い。

「練習?まあ、毎日きついよ。もう玉空っぽ。」

「色々教えてもらえるんだろ?」

「え?うん、まあ教えてくれるよ。練習の時は人が変わったように厳しくなるんだぜ?普段はまあ優しいけど。」

俺はつい愚痴をこぼしてしまう。

「一成先輩から教えてもらえるんだからいいだろ。」

「いや、それよりお前と話したかったんだ。先輩がさ・・・。」

「俺もう練習行くわ。」

剛はさっさと飯を済ませて立ち上がる。

「え?おい!」

俺がそう声を掛ける間もなく行ってしまった。どこか余所余所しい態度で。

 

 

「あいつには悪いことしたと思ってるんだ。お前の言う通り、剛は俺に教えてほしかったのかもって思って。だから意地になってるかもしれないな。」

体育館。今日も外は晴れていて、日差しが眩しく体育館に入ってくる。一成先輩に朝の剛の機嫌の悪さを伝えると、心配そうにそう言った。

「俺、ちょっと思ったんですけど、剛、先輩のこと好きなんじゃないですか?」

「俺のこと?」

「はい。部活に入ったのだって先輩に声かけられたからだし、先輩に憧れてたし。」

「いや、あり得なくはないけど、男闘部で男を好きになる奴なんてそんなに居ないんだぜ?」

「先輩だけ?」

「いや、俺だけじゃないけど、大抵は女好きだ。」

「先輩ってやっぱり男が好きなんですか?」

「だから違うって言ってんだろ!」

先輩は俺の頭を叩く。

「痛ってー。」

「だけど、そんなに気にしてそうならあんまり剛の前で俺との練習の話はしない方がいいかもな。それに・・・。」

「それに?」

「俺が告ったこと剛には言うなよ。」

「ああ、確かに。先輩、俺がタイプなら剛だってタイプでしょ?俺たちよく似てるって言われるし。」

「はぁ・・・お前恋愛したことねぇだろ?」

「え?!な・・・なんですか、いきなり!お、お、俺だって、す、好きな人ぐらいいましたよ!」

「焦りすぎだろ。俺の告白の返事、ちゃんと考えてんのか?」

「いやぁ・・・それは・・・。」

「はぁ・・・お前のそう言う鈍感な所が好きなんだ。」

なんだか先輩は堂々と俺への気持ちを言うようになっている。俺としては複雑だ。

「好きって!いや・・・そう言うこと言われると・・・。」

「あははは!マジでその顔ずりーよな。」

「もう、止めてくださいって。」

俺は顔が赤らむ。先輩は嬉しそうに笑う。

「さ!練習だ!今日も手加減しないからな!」

「おっしゃ!」

俺は先輩と向かい合う。

 

 

「いいからさっさと入れ!」

俺達が練習しようとしたその時だった。体育館に大きな怒鳴り声が響く。

「痛ってぇな!」

体育館に入ってきたのは、春樹だ。後ろから信田先輩が春樹をどつくように体育館の入口から春樹を中へ押し込む。

俺達はつい練習の手を止めてその様子を見てしまった。前の一件以来、2人がいつか問題を起こすと思っていた。春樹はだるそうに体育館へ入る。

「そんなにいかせ合いがしてぇんなら俺が相手になってやる!」

「あんた俺に負けたんだぜ?まだ負けたりねぇのかよ!」

2人とも激しく言い合っている。春樹は信田先輩の目の前に立ち鋭く睨む。まるで今にも殴り合いを始めそうな勢いだ。

その後ろから、春樹の面倒を任されたもう一人の先輩が入ってくる。最悪な雰囲気の中、悠長にも体育館の端で腕を組んでその様子をただ見ているだけだった。

俺は何かあれば止めに入らないとと思いパンツを手に取る。その手を一成先輩が止めた。

「大丈夫だ。見てろ。」

そう言われて俺は不安に駆られながらもパンツを置いた。

そこへ剛と岡井先輩も入ってくる。すぐにその様子に気が付き、剛は心配そうに見つめている。一瞬俺を見る。俺も剛と同じ心配そうな表情で剛と目を合わせた。しかし、すぐに視線を2人に送る。

「1回勝ったくらいで調子に乗んな!」

そう言うと信田先輩は春樹のジャージの上から股間を掴んだ。

「痛って!くっそ!だったらこっちだって望み通り逝かせてやるよ!」

春樹も信田先輩のジャージの上から股間を掴む。2人とも学校のジャージ、上はTシャツに下はハーフパンツだ。お互いに股間を掴み合っている。

 

信田先輩は前回の一件以来筋トレに臨むようになった。俺達とは一緒にトレーニングはしないが、明らかに体が大きくなっていた。とはいえ、俺達よりも小さい。一方春樹は相変わらず練習には参加しなかったから、筋肉質だけど相変わらず細い。

「オイル!」

信田先輩はそう叫ぶと片手を斜め後ろに出す。すると端で見ていた先輩が持っていたオイルを渡す。蓋を開けたままだ。信田先輩はなんとジャージの上からオイルをばら撒いた。ジャージの上からお互いの掴んでいる手に向かって。体育館の床にぼとぼとと落ちる。大胆に乱暴にオイルを撒き散らす。

「覚悟できてんだろうな?」

信田先輩はそう言うとオイルの容器を横へ投げ捨てた。

「あんたこそ、負けたら俺の処理係になれよな。」

「ああ!お前が負けたらこれからは真面目に部活に来いよ?」

「ああ、いいぜ。」

「いくぞ!」

「ああ!」

『処理係って・・・春樹は・・・まったく。』

俺は春樹の言葉に恐怖すら感じる。

2人はお互いの言葉を合図に塗られたオイルを塗り込むようにお互いの股間をこすり合い始めた。

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